日本郵便将棋連盟
王座戦細則
第一章 総則
第1条(主旨)
本細則は、王座戦規則第九条に基づき、王座戦実施の細部を定めたものである。
第2条(適用範囲)
本細則は、王座戦のみに適用する。
第3条(用語注釈)
1.「連盟」とは、日本郵便将棋連盟をいう。
2.「会員」とは、日本郵便将棋連盟の会員をいう。
3.「会則」とは、日本郵便将棋連盟の会則をいう。
4.「他規則」とは、本細則以外の諸規則をいう。
5.「参加者」とは、日本郵便将棋連盟の王座戦参加者をいう。
6.「届け出」とは、参加者が担当幹事へ届け出ることをいう。
7.「編成表」とは、王座戦開始時に組合せした対局者名簿をいう。
8.「A級への編入者」とは、王座タイトル獲得希望者への便法として、段級に関係なく一定条件(第12条―2)で、A級に編成される参加者をいう。
第4条(他規則との関連)
1.本規則が会則以外の他規則と抵触するときは、本細則を優先する。
2.会則及び本細則に定めのない対局規定は、日本将棋連盟の規約を準用する。
第二章 役員及び会計
第5条(役員)
役員として、王座戦担当幹事を置く。
第6条(クラス委員)
<抹消>
第7条(代議員)
<抹消>
第8条(会計)
1.王座戦の経費は棋戦参加費・寄付金・その他をもって充てる。
2.会計年度は、棋戦の始期より終期までとする。
3.収支決算は会長に報告し、関係者に公示する。
第三章 編成
第9条(参加者の要件)
1.規則を守り、親睦対局としての王座戦に理解ある会員。
2.対局数に余裕ある速信者で、期間内に全局完了が確実な会員。
3.担当幹事からの依頼、連絡事項等に協力が可能な会員。
第10条(参加無資格者)
1.申込期王座戦の前期または前々期に、期間内未終了局が33%以上ある場合は、王座戦への参加を拒否することがある。
2.他棋戦における無断中断者・遅信常習者・棋戦不適格者等、王座戦の処置者に該当する行為があった場合は、向こう2期間王座戦への参加を認めない。
第11条(編成表)
1.編成表のクラス数・人員等は参加者の状況に応じて、その都度定める。
2.棋力は、会員名簿・順位戦の段級を原則として、本人の申告があれば会員名簿、順位戦の段級より上の段級でも認める。
3.クラス内の編成順位
(1)段級の上を上位とする。
(2)同一の段級では会員番号の順とする。
4.編成表の順位は、編成後は変更しない。
5.編成表の氏名等は、処置者・退会者・その他中断者でも最後まで抹消しない。
6.編成表は全参加者に配布し、会長に報告する。
第12条(A級の編成表)
1.A級は、王座戦規則第3条(定員)、及びA級編入希望者で編成する。
2.A級編入を希望できる条件
(1)前期または前々期の各級王座
(2)前期または前々期の特別表彰者(第16条―4)
3.前項条件の該当者で編入希望者は、王座戦参加申し込みの際「A級編入希望」と明記する。
4.A級が定員に達したときは、編入を制限する。
5.B級以下の前期・前々期の王座は、王座戦参加申込時に申告すれば、A級以外の上位級にも編入できる。
第四章 対局
第13条(対局)
1.編成表により対局を開始する。
2.各クラスの定員は9名以下、各自2対局を行う。
3.対局期間
(1)10月1日 開始
(2)9月30日 終了
4.特別の場合(第15条)を除き、期限日現在で全局終了する。
5.入賞者の判定・未終了局の処理
(1)入賞者は、各クラスとも勝ち点制により順位決定を行う。
(2)勝ち点は、以下のとおりとする。
*勝局 :5点
*敗局 :1点
*持将棋・千日手 :3点
*未終了局 :100手以下は0点、101手~120手は1点、121手~140手は2点、141手~160手は3点、161手以上は3.5点
(3)勝ち点同点の場合は、以下の順に判定する。
① 終了局が多い方が上位
② 上記①が同数の場合、未終了局の平均指し手数が多い方が上位
③ 上記②で決定できない場合、直接対局で勝数が多い方が上位
④ 上記③で決定できない場合、編成表の上位者が上位
6.A級の優勝者を、「王座」とする。
第14条(報告)
1.対局者は、担当幹事から通知があった時は、自己の進行表(勝敗・指し手数)を報告する。
2.対局者は、担当幹事からの指示・依頼事項には、そのつど速やかに協力する。
3.対局者は、遅信・中断・その他の事故が予測されるときは、すみやかに担当幹事に報告する。
第15条(期間延長)
1.対局期間は、真にやむを得ない特別の場合のみ延長する場合がある。
2.期間延長は2か月を限度とする。
3.期間延長は担当幹事が決定し、関係者に速報する。
4.期間延長のために、次期王座戦開始日が変更されることはない。
第16条(表彰)
1.入賞は、各級とも2位までとする。
2.各級の優勝者には、賞状及び副賞(賞品)を授与する。
3.各級の準優勝者には、賞品を贈呈する。
4.3期連続入賞者には「特別表彰者」として別に表彰する。
5.特別表彰者には、賞状及び副賞(賞品)を授与する。
6.速信優秀者は次の条件で表彰する。
(1)期限日の1か月前までに勝率五割以上の成績で終了した、各クラス最初の全局完了者を「速信優秀者」とする。
(2)速信優秀者は、対局者から担当幹事への申告により判定する。基準日は、最終局の相手方投了日とし、複数者の受賞を妨げない。
(3)メール対局がある参加者は、速信優秀賞の対象外とする。
7.速信最優秀者には賞状及び副賞(賞品)を贈呈する。
第17条(永世王座)
1.三期連続王座(A級優勝者)には「永世王座」の称号を与える。
2.永世王座は、賞状に記念品を添えて表彰する。
3.永世王座の表彰には前条の特別表彰は行わない。
第18条(途中休場者及び一時中断者)
1.対局途中で休場を届け出て、担当幹事がこれを承認したときは「途中休場者」として扱う。
2.途中休場者は全局を負けとする。
3.対局途中で短期間の中断を届け出て、担当幹事がこれを承認したときは、「一時中断者」として扱う。
4.一時中断者は、対局を再開できるが、原則として期間延長はしない。
5.途中休場者及び一時中断者は、次期以降の参加等に不利を被ることはない。
第19条(処置者)
1.全対局者に対して15日以上、1対局者に対して20日以上、無断で中断した場合は「無届中断者」として扱う。
2.郵便状況が普通時に、10日以上の遅信が3回以上に及び、改善の状がない時、「遅信常習者」として扱う。
3.定められた依頼・連絡・報告・その他の協力を拒否し、または故意に怠り、あるいは棋戦の秩序を乱す場合は「棋戦不適格者」として扱う。
4.前各項の処置者は、全局を負けとし、向こう2期間は王座戦参加を認めない。
5.処置者は担当幹事が決定して、関係者に通知する。
第20条(細則の改廃)
本規則の改廃は、参加者の意見を参考に会長・幹事長と協議し、担当幹事が決定する。
付則
*本細則は昭和51年10月1日より施行する。
*改正:昭和57年10月1日
*改正:平成元年10月1日
*修正:平成5年10月1日
*一部改正:平成13年10月1日
*一部改正:令和3年10月1日
<令和3年改正の要旨>
*入賞判定に勝ち点制を導入、同点の場合の判定基準を明記。
*クラス内定員、2対局制であることを明記。
*クラス委員、代議員の記述を削除。(実情として、各期参加者が18名以内であり、クラス委員は担当幹事が務めていること、代議員制は実施していないことによる。)
*クラス数が2~3であることを想定し、最上位クラスの名称を「特A級からA級」に変更
*速信優秀賞の基準を一部修正。
*上記を除く部分は、現行通りとする。
王座戦参加希望者の皆さまへ(お知らせ)
王座戦対局に関するルール(王座戦細則)を一部改訂いたします。前回の平成13年改定から約20年ぶりの変更となりますが、参加の際には新ルールをご承知おきください。
主な改正点は以下の4点です。
1.入賞判定基準の変更
王位戦に合わせて勝ち点制を導入しました。勝ち局5・敗局1・千日手と持将棋3・未終了局は指し手数に応じて0~3.5点とし、総得点の最上位者が優勝です。
同点の場合の優先順位も王位戦と同様に列挙することで、対局期限終了時の判定を、より明確にしました。
ただ、未終了局を極力避けるため、速信の励行・再信・期限前の潔い投了などは、引き続きご協力をお願いいたします。
2.クラス委員、代議員の項目を削除
近年の実際の運用方法を鑑み、抹消しました。指し手集計・クラス内の連絡や報告等は、引き続き担当幹事が行います。
3.最上位クラスの呼称を変更
近年は2~3クラスで進行していることから、最上位クラスの呼称を「特A級」から「A級」に変更しました。
4.速信優秀賞の該当条件を変更
従来の「東日本、西日本で各1名」から「各クラスで1名」に変更しました。
なお、現行細則は非常に詳細に記載されており、棋戦進行の上で有意義であることから、新たに創文することなく、現行スタイルを踏襲、一部改訂とさせていただきます。
対局の中断/遅信について
王座戦では、対局の中断/遅信について、細則を定めています。
今期は、必要であれば、細則を適用します。
対局中断、遅信がこれまでにあった方々には、事前にご連絡し、速信をお願いし、
書面またはハガキにて、速信の約束および細則適用の了解をいただきました。
皆さんに楽しく対局していただくうえで、速信をお願いします。
なおやむを得ず中断、または返信が遅れる場合は、必ず対局者、棋戦担当に
ご連絡ください。
以下は、王座戦細則の「処置者」の条項です。